悟りの世界
台風で被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。
一刻も早くつつがない日々が戻りますよう心よりお祈りいたします。
日本列島の内陸に位置する京都ではお陰様で大災害にはならず、台風の後の空気はまさに「台風一過」という言葉がぴったりです。
ほんの1,2週間前までは、お寺の青紅葉も夏の名残を思わせるものでしたが、今はすっかり季節が変わったことが感じられます。
見上げると、ゆったりと登る龍を思わせる雲。この長閑な雰囲気に安心感を覚えて写真に収めました。
相国寺の境内では毎年決まった場所に彼岸花が咲くのですが、花開く直前のつぼみになって始めて「あぁ今年もこの季節になったなぁ」と気づきます。
地中から少し顔を出して、茎が伸びる段階で全く気がつかないのは本当に不思議です。
お彼岸の頃に咲くから彼岸花。そのお彼岸の由来を紐解いてみると…
サンスクリット語のparamita(パーラミタ)の音を拾って文字にあてた音写語が「波羅密多(はらみた)」。それを漢訳すると「到彼岸(とうひがん)」となり「彼岸に到る」という意味を持つそうです。
仏教では西方の遥か彼方にお浄土の世界があるとする「西方浄土(さいほうじょうど)」の考えがあります。お彼岸の時期(特に春分の日・秋分の日)は太陽が真東から出て真西に沈む期間であることから西方にあるお浄土への道しるべができる時と考えられていました。また、春秋のお彼岸の時期は、昼夜がほぼ同じ長さになる期間でもあることから、一年の中でこの世とお浄土との距離が最も近くなり、思いが通じやすくなる時ともされています。日本では春秋のお彼岸の時期に「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる仏教修行を行うことで、煩悩に満ちた現世(此岸)を脱して悟りの境地(彼岸)に到ることができるという思想が生まれたそうです。
此岸と彼岸の間に流れるという「三途の川」。私は龍の背中に乗って、軽やかに超えて行きたいなぁと秋空を見上げながら不謹慎なことを考えております。
過ごしやすい季節となりました。皆さまお健やかにお過ごしくださいませ。
2022.09.25
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